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20 / JUNE 2016

≪レースレポート≫ 2016 TOUR de 熊野2nd stage

 ● 大会名:2016 TOUR de 熊野2nd stage
 ● 開催日:2016年6月18日(土)
 ● 開催地:熊野山岳エリア
  (text & photo : Hiroki Sakamoto)

≪世界遺産周辺を舞台に≫
今回で18回目を迎えるTOUR de 熊野は、世界遺産として登録されている熊野古道周辺エリアを舞台に繰り広げられる。2008年からはUCIアジアツアー2.2に指定されており、海外チームも多数参加するレベルの高いステージレースだ。また市街地を含む公道を使用してのレースであるため地域の理解と協力は不可欠だが、その点においてもTOUR de 熊野はレースイベントとしてレベルの高さを感じる。街並みに溶け込むように走る選手たち、沿道から送られる声援、4日間にわたり苦楽を共にするステージレースでの一体感は他ではなかなか味わえない。主催者とスタッフの並々ならぬ熱意と努力によるものだろうと頭の下がる思いである。

≪サポートチームからのフィードバックがより良い製品を生み出す≫
我々パナレーサースタッフが現地入りしたのは6/17(金)の夜、つまり1st stageが終了したその日である。前日に開催されたタイムトライアルでは、宇都宮ブリッツェンの阿部選手と大久保選手が見事ワンツーフィニッシュしており、UCIレースにおける価値ある入賞によってチームにも明るいムードが漂っている。これまでのレース概況ならびにタイヤに対するコメントを頂戴すべく、パナレーサーがサポートするチーム、宇都宮ブリッツェンと那須ブラーゼンの宿泊先へと押しかけた。バイク1台1台を丁寧に整備するメカニック、選手をケアするマッサージャー、少しでも良い状態で戦えるようにと多くのスタッフが関わっている。我々サプライヤーが当日現場で出来ることは限られるが、この現場に来なければ知り得ない情報は多い。チームからのフィードバックによって、より良い製品を生み出せることは間違いない。

写真:落車で傷ついたバイクを丁寧に補修する那須ブラーゼン郡司メカニック

写真:明日に向けて夜遅くまで作業を続ける宇都宮ブリッツェン針谷メカニック

≪2nd stageは見応えのある熊野山岳コース≫
TOUR de 熊野で最もハードなコースは2nd stageとなる熊野山岳コースだ。熊野市街を10kmほどパレード走行したのち正式スタート、山岳ポイントの「千枚田」そして「札立峠」を目指す。この2つの厳しい登りとテクニカルな下りが勝負ポイントとなる。観戦する側にとっては最高のロケーションであっても選手達にとっては悶絶ポイントに違いない。ちなみにUCIレースでは「千枚田」を2度登るが、選手からは悲鳴が聞こえてきそうなほど。それほど厳しくも見応えのある、それがこの熊野山岳ステージである。

写真:千枚田


レース前に宇都宮ブリッツェン清水監督からコメントを頂いた。
(初日のTTで阿部選手が優勝、勝因は)
「平地のスピードはみんな申し分なく、差がついたところはやっぱコーナリング。チームとしては大久保で優勝を狙う設定だったんですけど、大久保がちょっとコーナー失敗してしまって2位で。阿部が一番コーナー速くて。それが勝因になったと思います。」
(昨日の1st stageはどうだったか)
「最終局面まではいい形で来れたと思うんですけども、最後のゴール勝負になったところで、リーダーチームとして集団内でのポジションの確保がしっかり出来てなかった。最終的にゴールスプリントでいいポジション確保して、もがく事が出来なかったという事ですね。まあ色々と初歩的なトラブルもあって。」
(今回、増田選手、鈴木譲選手は欠場だが)
「若手が伸びてきて、UCIレースに満遍なく出してやりたいって気持ちもあって。それと今年はスケジュールがタイトだという事もあり、増田、譲も自ら全日本に向けて調整したいという事で。本人たちの希望とチームとしても若手若手で行きたいという事、すべてタイミングがよかったという事です。」
(上記を踏まえて、2nd stageでのレース展開は)
「増田、譲が居ないというだけで、普段から阿部、大久保がすごくサポートしてくれているのは変わらないので。今期待している堀、雨澤、飯野。この3人には増田、譲と同じ条件で戦わせることが出来るんじゃないかなって思っています。レース全般として、ツアーオブジャパンでもそうでしたが、チームとして攻撃的な姿勢を貫いてきています。昨日もアタックして攻撃していきました。そういったチームの姿勢を見てもらえればと思います。タイヤに関しては昨晩いろいろとディスカッションしましたが、今回、雨の中で一番速く攻めれた男は誰なのか。攻めれるタイヤと選手のスキルがあってこその結果だと思います。」

写真:宇都宮ブリッツェン清水監督

写真:タイヤはサポートチームのみに供給しているTEAM Edition zerOを使用

≪エリート・レースレポート≫
レースはUCI、エリート、女子がほぼ同時に出走している。UCIレースでは、Panaracer若手スタッフがチームカーに同乗させていただく事になり、筆者はこの日UCIレースではなくPanaracerがサポートする弱虫ペダルサイクリングチームが出場しているエリートのレースを追いかけた。

写真:エリートスタート


レース序盤から1人2人と抜け出し、そこに弱虫ペダルサイクリングチームの大場選手が乗り、3名の逃げを形成した。

写真:3人の逃げ


千枚田の登りに入ると湘南ベルマーレの大井選手が抜け出し、弱虫ペダルサイクリングチームの大場選手は後退した。登りきってからの下りは大井選手の独走かと思えたが、いつの間にか弱虫ペダルサイクリングチームの岡選手が2位にステップアップ。下り終えるころには1位の大井選手を捉えようとしていた。

写真:2人の逃げ


2人の逃げからなお岡選手がアタックを仕掛け、単独でゴールを目指す。

写真:1人アタック


そのまま岡選手が逃げ切り優勝した。

写真:エリートゴール

写真:エリート表彰式


レース後、弱虫ペダルサイクリングチームの佐藤GMにコメントを頂いた。 「いくつか作戦は考えてましたが、そのうちの一つがうまく決まったって感じですね。ゴールスプリントまで持ち込むと勝てないのは分かってましたし。それまでにアタック仕掛けて、最後は単独でゴールを目指せば勝てると信じてました。」

写真:ゴールした選手たちを温かく迎え入れる佐藤GM*写真中央


フェミニンでも昨日に引き続き弱虫ペダルサイクリングチームの唐見選手が優勝し、チームとしてエリート、フェミニン、完全勝利を目指す。

写真:フェミニン表彰式

≪TOUR de 熊野 2nd stage(6/18) レース結果≫
エリート
 1位  岡篤志    弱虫ペダルサイクリングチーム
 2位  大井翔太郎  湘南ベルマーレサイクル-A
 3位  寺崎浩平   バルバレーシングクラブ

フェミニン
 1位  唐見実世子  弱虫ペダルサイクリングチーム
 2位  小田恵利花  TEAM SPORTS KID
 3位  山下由起子  Vitesse-Feminin

UCI
 1位  オスカル・プジョル  チーム右京
 2位  ガルシア・マルコス  キナンサイクリングチーム
 3位  ブラデス・ベンジャミン  チーム右京

≪2nd stageを終えて≫

写真:ブリッツェンブース

すでにご承知の通り、最終ステージでは大雨の中、宇都宮ブリッツェンの大久保選手が見事優勝した。その現場に立ち会えなかったことは痛恨の極みだが、サプライヤーという以前に一ファンとして本当に嬉しい。
私たちがレース会場に足を運んで見て感じ取れることはほんの一コマに過ぎないわけだが、チームや選手、スタッフ、また運営側の役員も含めると、それぞれの立場での苦悩や感動、達成感に満ち溢れている。ぜひレース会場へ足を運んでいただき、いろんな角度からレースを楽しみ、共感していただければと思う。

*レース結果等の詳細は以下からご確認ください。
 ・スポーツプロデュース熊野 ホームページ
   http://www.nspk.net/tdk/
 ・JBCF ホームページ
   http://www.jbcf.or.jp/
 ・宇都宮ブリッツェン ホームページ
   http://www.blitzen.co.jp/
 ・那須ブラーゼン ホームページ
   http://www.nasublasen.com/index.html
 ・弱虫ペダルサイクリングチーム ホームページ
   http://yowapedact.com/

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